買い取りの様子を別のブログで書いています。

エーブックの買取日記

古書組合の市場への代理出品をお受けしています!

詳細はこちら http://abookabook.sblo.jp/article/70897188.html




2012年05月12日

天才せどらーエーブック

今となってはあまり知らない方も多いと思うが、2000年、私はせどりをはじめ、1年間はせどりで生活をしていた。
その頃はAmazonも日本になく、ヤフオクがはじまってようやく1年。オークファンもなく、ネットの環境も整っていなかったので、調べるとしたら、家に電話をして、「これっていくらぐらいで出てる?」「2000円で出してる人がいるけれどまだ入札入ってないよ」とヤフオクをそのまま見るしかなかった。
なので、せどりするものと言えば、過去に売った実績のあるものが全体の50%。30%は過去の実績から類推して、多分いけるだろうというもの。例えば織田裕二関連のものを売って高くなったことがあり、だったら今目の前にあるコンサートパンフもいけるだろうという感じ。残り20%は全くわからないけれど、自分の感覚でいけるだろうと思い、買うという感じだ。
最近はじめた人の中に、以前は楽にせどりができたという方がいるが、私は同じだと思う。
ツールやノウハウが出てきた分、効率的に仕入れができるようになると同時に、あわせて人口が増えているだけなので、結局、そんなに変わんない。
その頃もたいして売り上げができない人が大多数だったし、せどりだけでは生活ができずにやめていった人もいた。
私はその頃、ヤフオクの本のカテゴリーで図抜けていて、こいつなんなんだと2チャンネルで話題になっていたらしい。
今考えれば、最近の人たちの売り上げからして全くたいしたことない。
月間で、2ミリオンに一度か二度到達したぐらいのことだ。
それでも敢えて言おう。私はせどりの天才だったのだ(笑)
あれから12年。
せどりの天才は古書組合に入り、写真集を大量に売る人になり、組合の仕事を一生懸命やればやるほどバッシングを受ける、歩けば右脚がいつも痛い人になった。
2012年4月21日のこと。
円頓寺商店街の一箱古本市に私はプロコーナーで出店。少しお客さんのひいた時間に私は一箱の方たちがどんな風にやっているのか覗きに行った。
といっても、脚も痛いし、店は妻に任せただけなので、軽く一周という感じだ。
数店、座って、店主と話をし、本にはさんであるものというミニコミを300円で買い、その後買ったみたらしだんごのたれでそれを少し汚してしまった。
その後、ちょっと気になるところで児童書と絵本を3冊買わせてもらった。
もちろんピコることなどせず、扱ったことも見たこともない本だ。
40数店あった中で本を買ったのはそこだけである。
自分の店に戻り、仕事をしていると、知らない方が先程買った児童書を譲って欲しいと言ってきた。
後ろから買うのを見ていて、どうしても欲しいというのだ。
申し訳ないが、自分も気に入って買ったので断った。
そしたら、写真を取らせて欲しいと言われたので、それには応じた。
2時間ぐらいした後にまた彼があらわれ、調べたら相当珍しいものなので、どうしても譲って欲しい。譲ってくれる気になったらと、連絡先を書いた紙を渡された。
少し申し訳ない気持ちもあるが、私も好んで買ったわけなので、簡単には譲れない。ごめん。
帰って調べてみた。
ちなみに購入金額は全て300円の合計900円だった。
絵本は新しくきれいで、Amazonで定価1200円。出品者なし。
残りの2点はオークファンの過去2年のデータになく、東京の専門店に問い合わせてみると、つけ値が1点が5000円、1点が4万円ぐらいで、彼が是非譲って欲しいということを言ってきた。
「なぁ、なぁ、こんなの見つけた俺って、天才せどらーじゃない?」と彼に確認を求めた。
「確かに、数ある本の中にこれをチョイスしたのは凄いですね」
「でしょ、でしょ」
「エーブックさん、古本屋やってもう12年でしょ?!」
「その経験からくる、なんていうの勘ていうか、そういうのが冴えちゃってるっていうかぁ・・・」
「そうじゃなくて・・・。だったら知ってて当たり前っていうか、知ってなきゃいけないと思うんだけどなぁ」
彼は私とそんなにキャリアが変わらないが、本を知るということを積み重ねてきた結果、こういった質問に即座に答えてくれるだけの知識があるのだ。
もしかして、私が天才と思っていたことは、幼稚園の時に九九が言えて天才と言われているようなものなのかもしれない。
だいたい、天才せどらーと言っているのは自分以外にいないから質が悪い。
その夜、月がやけにでかかった。
スーパームーンという現象らしく、30%ぐらい膨張して見えているそうだ。
膨張した月を見ていたら、なぜか涙が止まらなかった。


【一部フィクションです】
posted by A at 07:56| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

My Yahoo!に追加